製品紹介

舵取機

据付台一体型J型ロータリーベーン舵取機

J型ロータリーベーン舵取機

ロータリーベーン式舵取機の沿革

省エネルギー・大舵角に対応できる高性能・高信頼性の
革新的舵取機

当社は、1987年に英国のMr. Peter Binghamからシリング舵(Schilling Rudders)およびベクツイン舵システム(Vectwin Rudder Systems)の技術を実施許諾されましたが、これに対応するために、先ず大舵角のピストン式舵取機(日本特許)を自社開発して、舵と舵取機のパッケージ販売を実施するとともに、更なる技術開発を推進しました。
その間、かかる大舵角に最も適合する舵取機について調査研究の結果、ロータリーベーン式舵取機の採用が不可欠であるとの結論に至り、ロータリーベーン式舵取機として最高の設計であるのはノルウェーFrydenbo社の設計であると判断し、1990年にFrydenbo社のロータリーベーン式舵取機の日本国内における製造販売権を取得しました。
しかしその後、Frydenbo社の経営変更により、標準機種、提携機種も変更されました。
そこで当社では、日本国内の顧客に対する供給責任があることに鑑み、Frydenbo社の新しいマネージメントに対して種々問題解決策を提案すると共に、当社の多年の実績を基にした独自の技術開発を日本財団のご援助の下に推進しました。
また、多数の日本特許を取得しました。
その結果、Frydenbo型ロータリーベーン式舵取機の設計製造が可能になりました。
世界において、現在、Frydenbo型のロータリーベーン式舵取機の設計・製造技術を持つのはRolls-Royce Marine社と当社の二社であるとの認識の下に、両社が相互に協力して世界の造船界に貢献することが合意されるに至りました。
そのため当社は、日本国内においては、シリング舵およびベクツイン舵システムに最も適合する舵取機としての技術開発の成果に基づくロータリーベーン式舵取機の製造販売を実施することになりました。

アクチュエータの特徴

油圧システムにバルブブロック方式を導入し、安定した運転を実現。
また、シール材にはThordon社のThorflexを採用する事で、より高い信頼性を確保。

  • トルク特性が極めて合理的(出力トルクは舵角の影響を受けない)
  • 大舵角に最適の構造
  • 構造が極めて簡単
  • ラダーキャリア機能が内蔵されている
  • アクチュエータの内部構造は回転体とシールのみ
  • 制御弁、オートロック弁、集積形絞り弁、安全弁等をバルブブロック方式として一体化している(配管系統の合理化、調整・補修が容易)
  • シール油圧源及び油圧制御装置は総て機外に装備される(点検・補修が容易)
  • グランドシールはVシールを採用、2段シール式としている(信頼性が向上)
  • 実績のあるシール材Thorflex sealを採用
  • 多年の実績に基づく、合理的なシール形状およびシーリングシステムを採用
  • 万一の場合は洋上でリングシールの交換が可能なシール方式を採用、信頼性が向上

作動及び制御油圧システムの特徴

安定した作動、省エネルギー効果。外部冷却効果を有する。

  • 制御油圧システムを作動油圧システムとは独立させたシステムとしている。
  • 作動油圧システムを制御油圧に使用しないため省エネルギー効果となる。
  • バルブブロックをアクチュエーターに取り付けるため、外部配管の合理化が可能となると同時に、外部配管内の作動油の循環により冷却効果が得られる。
  • シーリング油圧源である圧力バルブを機外に設置するため、信頼性向上が可能。
  • 軸受室に作動油が導かれるため、軸受の性能が向上。

ポンプユニットの特徴

高信頼性のベーンポンプを採用。

  • オープン油圧システムに対して最適である、標準型のベーンポンプを採用
  • ポンプをタンク上部に設置(ベーンポンプの特性から可能)
  • 作動油圧ポンプと制御圧ポンプとを独立させ、両ポンプをタンデム配置
  • 構成が簡単なため、点検・補修が容易(多数の実績により実証されています)

据付及び艤装工事の合理化を実現

据付・艤装の工期短縮、工数削減ができます。

  • アクチュエーターがラダーキャリア機能を内蔵しており、また、据付台一体型の構成のため、据付工事・艤装工事の合理化を実現
  • 熟練を要する軸心位置調整を必要とせず、また、ボーリング作業を必要としないため、艤装工事が容易
【50,000DWT BCにおける据付工事・艤装工事の合理化の実例】
工数削減・・・100工数
工期短縮・・・1週間

J型舵取機要目表

舵角を従来の2×35°から2×45°にすることにより舵性能(船の操縦性能)が一段と向上することが実証されています。
ロータリーベーン式舵取機はかかる大舵角に容易に対応できます。

【備考】
  • ※J2型はベーン2枚、J3型はベーン3枚
  • ※設計油圧は機種により異なりますが、約8MPa
  • ※安全弁設定油圧は設計油圧の125%
型式 常用最高トルクkN-m(t-m) 最大舵角(deg.) 舵頭材
最大径(mm)
電動機(1台常用)(定格/kW×台) 外寸(mm) 重量(kg) ポンプユニット(幅×長さ×高さ)
(mm)
アクチュエータ/
高さ(A)
アクチュエータ/
最大幅(B)
舵取機 ポンプ
ユニット
JS-1 14.7(1.5) 2×68 100 1.5×2 310 840 280 135 530×550×615
J2-3D 27.0(2.8) 2×70 160 2.2×2 432 1,140 700 310 750×1,040×950
J2-5D 45.0(4.6) 2×70 160 3.7×2 432 1,140 700 400 750×1,040×950
J2-7.5D 70.5(7.2) 2×70 180 5.5×2 520 1,200 875 450 750×1,190×970
J2-10D 100.9(10.3) 2×70 210 5.5×2 710 1,300 1,460 450 750×1,190×970
J2-15D 149.5(15.2) 2×70 280 7.5×2 815 1,530 2,480 800 950×1,330×1,150
J2-22D 203.8(20.8) 2×70 280 11×2 815 1,530 2,480 850 950×1,420×1,180
J2-30D 329(33.6) 2×70 390 15×2 930 1,755 4,150 1,000 950×1,420×1,230
J2-40D 396(40.3) 2×70 390 15×2 1,030 1,755 4,550 1,100 900×1,640×1,270
J2-55D 570(58.1) 2×70 420 22×2 990 2,100 4,840 1,200 960×1,700×1,340
J2-70D 679(69.2) 2×70 450 30×2 960 2,260 6,830 1,470 1,020×1,700×1,370
J2-90D 875(89.2) 2×70 490 37×2 1,110 2,260 7,500 1,750 1,090×1,720×1,470
J3-34D 371(37.8) 2×45 390 15×2 930 1,760 4,415 1,150 1,090×1,720×1,471
J3-45D 494(50.4) 2×45 390 18.5×2 930 1,760 4,415 1,150 900×1,700×1,290
J3-50D 556(56.7) 2×45 390 22×2 930 1,760 4,415 1,150 900×1,700×1,291
J3-60D 593(60.5) 2×45 390 22×2 1,030 1,760 4,825 1,200 960×1,700×1,340
J3-65D 667(68.1) 2×45 390 30×2 1,030 1,760 4,825 1,250 960×1,700×1,341
J3-78D 764(103.8) 2×45 450 37×2 960 1,900 6,900 2,150 1,700×1,800×1,530
J3-85D 855(87.2) 2×45 420 37×2 990 1,850 5,320 1,750 1,090×1,720×1,470
J3-95D 962(98.2) 2×45 420 37×2 990 1,850 5,320 1,750 1,090×1,720×1,471
J3-105D 1,018(103.8) 2×45 450 45×2 960 1,900 6,900 2,150 1,700×1,800×1,530
J3-115D 1,145(116.9) 2×45 450 45×2 960 1,900 6,900 2,150 1,700×1,800×1,531
J3-135D 1,313(133.8) 2×45 490 55×2 1,110 1,900 7,500 2,350 1,790×1,900×1,560
J3-150D 1,477(150.7) 2×45 490 55×2 1,110 1,900 7,500 2,350 1,790×1,900×1,561

据付
舵取機甲板に据付穴を窄孔し、舵取機据付台のベースプレートを挿入し、軸心位置調整を行った後、ベースプレートを舵取機甲板に溶接します。

<別方式>

ベースプレートを舵取機甲板上に置いて、調整ボルトで据付位置を決定する方式も可能です。